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ナビゲーションシステム

ナヴィゲーションシステムの導入

-より多くの患者さんにMISを-

 

2003 年 6 月から 1 年間で、変形性股関節症の患者さん 61 股関節に対して人工股関節置換術を行いました(骨折や関節リウマチを除く)。このうち、 MIS( 最小侵襲手術 ) ができた手術は 49 例 80 %でしたが、残念ながら、 12 例 20 %の患者さんには股関節の変形の度合いが強く MIS ができませんでした。より多くの患者さんに侵襲の少ない MIS を行いたいというわたくしの願いがあり、 2004 年 8 月にナビゲーションシステムを導入いたしました。このシステムは自動車に搭載されているカーナビを連想していただくとわかりやすいと思います。股関節(目的地)に対してコンピューターが正確に安全に誘導してくれるシステムです。

まず手術前に CT 検査を行います。 CT 検査結果をもとに使用する人工股関節の最適のサイズと位置をコンピューターが自動的に計算します(手術後下肢が何 mm 伸びるかもわかります)。その計算結果をもとに、わたくしが確認修正したものをデータとして用います(図 1 )。


図1:手術前のコンピューター画面
このデータを手術室に設置されているビデオカメラ付きコンピューターに読み込ませます。ビデオカメラ(カーナビにおける衛星にあたります)によって骨を削る位置と深さや、挿入中の人工股関節の位置を追跡します(図 2 )。


図2:手術中のコンピューター画面
わたくしはコンピューターの画面をみて、自分が股関節のどの部位を処置しているかを確認しながら手術を行います(図 3 )。


図3:ナビゲーションシステム使用中の手術

MIS の欠点として、傷が小さいため手術する医師の目からはいってくる情報量が少ないことがあげられます。このため、正確に人工股関節を設置できないことが不安材料になっていました(これは MIS に熟達した医師であればクリアできる問題ですが)。股関節の変形が強いと、通常の人工股関節置換術でも位置の把握がかなり困難となりますので、ナビゲーションシステムによる手術の支援により多くの患者さんに MIS を行うことが可能になると思います。実際、 2004 年 8 月からのナビゲーションシステム導入以来現在まで、95%以上の方にMISをすることができました。

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