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表面置換型人工股関節

 
※ 写真は、患者様本人の掲載の許可をとっております。

表面置換型人工股関節


従来の標準型人工股関節置換術では大腿骨頭を全て切除し、大腿骨髄腔の内部をおよそ15cm削ってインプラントを設置します。これに対して表面置換型人工股関節(写真1)は大腿骨頭の傷んだ部分を切除して帽子のようなインプラントを設置します(写真2は自験例、向かって右が表面置換型、向かって左が標準型)


写真1(表面置換型人工股関節)

写真2(むかって右:表面置換型、左:標準型)

表面置換型人工股関節は1930年代より一時使用されていたのですが、臨床成績が不良で1980年代には用いられることがなくなりました。しかし、金属材料の改善が進み1990年代から英国を中心に再び使用されるようになり、今年になってアメリカ食品医薬局(FDA)によって承認もされました。

標準型人工股関節に比べて、大腿骨の骨自体が従来型に比べて温存される、今までの報告では手術後の脱臼がない、大腿骨コンポーネントの再置換が従来型より容易である、などの利点があります。欠点としては、10年以上の臨床成績が発表されていない、脚長補正が難しい、骨盤や大腿骨に強い変形がある場合は不適、大腿骨頚部骨折の発生率0−4%、体内金属イオンの増加(発癌性との関連を示すデータは現在までのところありません)、手術創がMISに比べて大きい、ということが挙げられます。

バーミンガム型表面置換人工股関節を開発した医師McMinnの報告(英国、2004年)によれば、患者年齢:27−55歳の術後1−8年の成功率は99%で、手術後にラグビー、野球、テニス、スキー、空手などのスポーツを行っている人が55%います。手術後、職業(建築現場の仕事など)を変えた人はいません。(余談ですが、韓国プロ野球で表面置換型人工股関節が挿入されている現役選手がいるそうです)

表面置換型人工股関節はイギリスでは手術症例の20%程度ということですから、臼蓋形成不全や先天性股関節脱臼後の変形性股関節症が多い日本人では、その割合がさらに少なくなる可能性はありますが、骨切り手術によっても股関節痛が軽快しにくい病期が進行した若い方々や手術後も活動的な生活を希望される方々に対しては、適応を考えてもよい手術法と思います。

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